ボクシングWBCバンタム級とフェザー級で世界2階級制覇した長谷川穂積(30=真正)が、現役続行の意思を固めたことが20日、分かった。近い関係者が明かした。長谷川は所属ジムの山下正人会長と先日話し合い、再起の方向でまとまったという。早ければ今月中にも会見を開き、正式発表する。4月の世界フェザー級の初防衛戦で現王者ジョニー・ゴンサレスに4回TKOで敗れ、進退を保留していた。

 相当に悩んだ末の結論だろう。ゴンサレスに敗れた直後には「次、やるからには相当の覚悟がいる」と語った。現在はフェザー級でWBC2位、WBA5位と世界ランク上位に位置。ただ再起しても、すぐに世界挑戦の機会が与えられるという保証はない。一方で肉体の衰えは感じていない。関係者によると、長谷川は「また世界王者になることにこだわっていない。ビッグマッチをやりたい」と周囲に語っているという。

 階級は現在のフェザー級か、1階級下のスーパーバンタム級への転級プランも浮上。早ければ10月にも再起戦開催の方向で進んでいる。長谷川は先月と今月の2度、東日本大震災の被災地を訪問。ブログには「たくさんのパワーと言葉では表現できないものをいただいています。(中略)おれは倍以上の恩返しをします」とつづっており、再起へのモチベーションにつながったのかもしれない。

 世界バンタム級王座から陥落後、母の死を乗り越えて2階級制覇を達成した「日本のエース」。今後はどんな復活ロードを歩むのか、注目が集まる。