<新日本:G1クライマックス>◇6日◇愛知県体育館◇A、Bブロック公式戦9試合◇8000人

 高山善広(44)が、ジャイアント・バーナード(37)との「日米巨漢対決」を制した。開幕3連勝だった198センチ、150キロのバーナードを9分36秒、得意のエベレスト式原爆固めで仕留めて2勝目。196センチ、125キロの巨体をグッタリさせながら、勝ち点を4に伸ばした。全勝はBブロックの後藤洋央紀(32)だけの混戦となった。

 高山の太い腕に血管が浮かび上がった。ともに身長約2メートル、両者合わせて275キロの肉弾戦。息切れしてきた44歳は、こん身の力を両腕に込めた。「いや~、きつかった。今日の相手が一番要注意でしたから。俺より体がでかいヤツはめったにいないし、しかも動けるからね」。10分を前に繰り出した、高角度のエベレスト式原爆固め。無傷の3連勝だった野獣の勢いを日本の「帝王」が止めた。

 「個人的にやり返した」と胸を張った。6月18日、ノアのGHCタッグとIWGPタッグのベルトを懸けた一戦で、バーナード、アンダーソン組に敗れた。「アイツ、でかいのに足を狙ってくる。それ、小物がやることだろ」。脳梗塞を発症してから、明日8日で丸7年。02年は準優勝に終わり、G1の王者には、まだ届いていない。巨体とうまさを兼ね備えたベテランは「順調っちゃ順調かもしれないね」と不敵に笑った。【近間康隆】