<新日本:G1クライマックス>◇11日◇東京・代々木第2体育館◇A、Bブロック公式戦9試合◇1800人

 アンチエイジングの星・永田裕志(43)が帝王・高山善広(44)との、丸8年ぶりのシングル対決を制した。延髄斬りから、13分51秒に岩石落とし固めで勝利をつかんだ。これで勝ち星先行の4勝目、勝ち点8。奇跡の逆転優勝へ向け、首の皮一枚だけ望みをつないだ。

 永田が、高山との死闘に勝った。キッチンシンク、ブレーンバスター、ニーリフト、そして原爆固めを出そうとする高山を阻止。白目式腕固め、エクスプロイダーで反撃して、最後は岩石落とし固めで3カウントを奪った。リング上でナガダンスを披露して、お得意の敬礼ポーズを決めた。

 過去、永田の1勝2敗の2人の戦いは、03年のG1公式戦から8年ぶり。永田は「単なるレジェンド対決になってしまうかもと思ったけど、現在進行形の戦いができた。腐っても帝王。蹴り、ひざ、パンチ…1発、1発が重かった。昔と同じ、強い高山を肌で感じた」と振り返った。

 これでAブロック首位の棚橋に白星2つ、勝ち点4差。開幕戦の直接対決に勝っているだけに残り2戦で逆転の可能性も残されている。「そうすればサマーシンデレラストーリーだね。それが、おれのアンチエイジング」。43歳、青春真っ盛りの男は笑った。【小谷野俊哉】