WBA世界バンタム級王者亀田興毅(24=亀田)が、天才演歌少女のコブシに乗って、V2防衛を成功させる覚悟をみせた。31日に東京・日本武道館で同級7位ダビド・デラモラ(23=メキシコ)との2度目の防衛戦を控える興毅は23日、試合前の君が代独唱を少女演歌歌手さくらまや(13)に依頼したことを発表した。都内の亀田ジムでさくらと同席で会見し「コブシと拳の対決やな。オレも拳を磨いておく」と、自身初となる2度目の防衛戦に向けて気合を入れ直した。

 亀田ジムに集まった報道陣の前に、興毅自らが天才演歌少女を招き入れた。自らの妹姫月ちゃん(12)と1歳違いの少女演歌歌手さくらまやに、V2戦前の君が代独唱を任せたことを明かした。興毅は「しっかりした子やな。テレビで見ていてもすごいうまいもん。前からお願いしようと思っていた。引き受けてもらってうれしかった」と、念願がかなった喜びに浸った。

 サプライズで美声も受け取った。報道陣から「歌を聞かせて」という要請を快諾したさくらの歌を、興毅は真横で聴いた。08年大みそかのDynamite!!以来の君が代独唱となるさくらから「私を指名してくれてとてもうれしい」と感謝されると、興毅は「やっぱり若い子らで盛り上げていかなあかんし。オレの拳が強いか、まやちゃんのコブシが強いか対決やな。ええ勝負になるんとちゃうかな」と笑顔をこぼした。

 30日に控える前日計量まで残り1週間となった大事な時期での会見開催だったが、興毅は真顔で言った。「やっていて楽しい。いろんなことをやってファンも、それ以外の人も注目してくれるように大きくなったらうれしい」と、興行を盛り上げることも強く意識している。無敗挑戦者のデラモラは今日24日に来日予定。強敵とのV2戦へ、興毅自らの気持ちも高揚してきた。「まやちゃんがコブシを利かして歌ってくれるから、オレも負けへんように拳を磨いておくから」と、ジョークを交えながら強い決意を表明していた。【藤中栄二】