IGFの会長を務める“燃える闘魂”アントニオ猪木(68)に火がついた。22日、都内で本紙のインタビューに猪木会長は、12月2日の「イノキ・ボンバイエ2011」(東京・両国国技館)へ向けて、ネットの動画配信による選手発掘、K-1戦士の再生について熱く語った。

 07年にIGFを設立。プロレスラー猪木のいない団体を率いてきた。「俺がコスチューム着てリングに立てば、東京ドームを満員にする自信はある。でも、それをやったらおしまい。次はない」と笑う。

 先月27日に両国国技館で行った東日本大震災復興「INOKI

 GENOME」の試合をニコニコ動画で無料配信、15万近いアクセスがあった。「ゴールデンタイムでプロレスを見られる時代と違う。中国では独立団体の興行に3億ものアクセスがあった。ネットで見てもらうことで、ファン拡大だけじゃない、新しい選手の発掘につながる」。北朝鮮のテコンドー選手、モンゴル相撲の選手を、次々とリングに上げてアジアの格闘市場、そして世界進出をにらんでいる。

 格闘技が落ち込む中、ジェロム・レバンナ、ピーター・アーツといったK1戦士をIGFに登場させた。「彼らも上がるリングがない。戦いの場を提供することで、スイッチが入って、レスラーとしてよみがえるんだ」と猪木。強さだけでなく、観客を魅了する戦士に変身させる。「格闘技のことをマーシャル・アーツと言う。アーツ、つまり芸術なんだ。それを忘れちゃ駄目」。戦いの美学を求める炎を燃やし続けている。【小谷野俊哉】