大みそかに行われるボクシング3大世界戦(東京・大田区総合体育館、日刊スポーツ後援)の予備検診が29日、東京・後楽園ホール展示場で行われた。WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(33=ワタナベ)ら6選手とも異常はなかった。

 内山が「カリスマ整体師」のサポートをプラスに変えた。暫定王者ブライアン・バスケス(25=コスタリカ)戦を前に、元F1ドライバーの佐藤琢磨らを治療してきた藤川篤史氏と契約。この日の予備検診では、7月の前戦より首回りで1センチ、胸囲で0・8センチアップと33歳にして肉体の進化に成功した。

 魔裟斗らを指導した飯田裕トレーナー、土居進フィジカルトレーナーらで編成する「チーム内山」に藤川氏が加わった。練習後、ジム内で週3回、約1時間の治療を受ける。これまでは都内の整体医に通っていただけに、内山は「練習後、すぐにケアできるので楽だし、体にもいい」と効果を強調した。

 この日の予備検診では、暫定王者バスケスより身長で7センチ、リーチで12センチも上回った。自身の進化もあり、肉体面では相手を圧倒した形だが、どこにも油断はない。前戦は戦前から楽勝ムードが漂ったが、試合は偶然のバッティングで3回負傷引き分けと、プロで初めて勝利を逃した。「今回はピリッとした雰囲気でやってきた。チーム(内山)の雰囲気も、いい状態に仕上がっている」。パワーアップしたサポート部隊を無駄にはしない。【田口潤】