ボクシングで高校生初のアマ7冠を達成した日本ライトフライ級6位の井上尚弥(20=大橋)が、プロ4戦目の日本王座挑戦を目指す。16日、東京・後楽園ホールで日本同級1位・佐野友樹(31=松田)と10回戦で激突する。15日には都内で計量に臨み、井上は佐野とともにリミットでパス。勝てばランキングが1位に上昇して日本タイトルに挑戦できる可能性があるため、圧倒的勝利でプロ3戦目を飾る意気込みだ。

 プロ3戦目で日本1位と激突する井上だが、肩の力は抜けていた。リミットで計量をパスし「過去2戦は硬くなっていた。今回は自分が出せるかなと。リラックスできている」と穏やかな表情。11年11月、全日本選手権決勝以来となる日本人との対戦だが「1位とやるということは(王座挑戦も)意識しないと」と集中力を高めた。

 6位の井上が1位の佐野に勝てば、ランキングは一気に上昇する見込み。日本ボクシングコミッション関係者は「井上が勝てば1位になる可能性もある」と説明した。今月3日の日本同級王座決定戦で田口良一(ワタナベ)が新王者になり、V1戦は指名試合。挑戦者の第1候補、WBA同級13位・角谷淳志(金沢)の意向次第で、日本1位に挑戦権が回ってくる。この佐野戦に勝つことが、次戦での日本王座挑戦を実現する上で重要になる。

 トレーナーの父真吾氏も「試合の流れで(KO)できれば」と分析。ロンドン五輪金メダル村田諒太のプロテストも控える注目の興行。井上は「同じ日に同じ後楽園で試合できるのが光栄。一緒に頑張りたい」と意気込んでいた。【藤中栄二】