日本ボクシングコミッション(JBC)は13日、都内で倫理委員会を開き、3月27日の世界戦後に「どう喝問題」を起こした亀田史郎氏(44)と、亀田ジムの五十嵐紀行会長(35)への処分を決めた。史郎氏に対しては、セコンドライセンスの取り消しと今後いかなるライセンスの申請を受理しないとする事実上の永久追放処分を、五十嵐会長にはクラブオーナーとプロモーターの両ライセンスの無期限停止処分を科した。今後、亀田3兄弟や亀田ジムはどうなるのか、父史郎氏との関係は?

 Q&A方式で説明する。

 Q…今回の処分の意味は?

 A…今後、史郎氏はJBC管轄下において公的にはプロボクシングに関与できなくなります。史郎氏と3兄弟の「師弟関係」を事実上、永久的に解消させようというものです。

 Q…史郎氏は試合会場に入れるのか

 A…原則として、観客としてなら可能です。JBCの安河内事務局長は「控室、リングサイド、通路などJBCの管理権限の及ぶところは排除できる。ただチケットを買って排除できるかは会場主、主催者との話し合いが必要になるので難しい」としました。日本での世界戦でも適用されますが、現時点で海外については「効力は及ばない」そうです。

 Q…亀田家は自宅兼ジムだが監視できる?

 史郎氏は父親として3兄弟に助言できるのでは

 A…親としてならどうかとなると難しい問題です。安河内事務局長は「ライセンスを持っている人間の専権事項、指導などをすることは無理です。ただ、応援は可能。しっかり線引きできるものではない」と話しています。

 Q…結局、これまでと変わらないのでは

 A…安河内事務局長が「五十嵐会長は史郎氏をコントロールできなかった」と言うように、史郎氏の大きな影響力が今回の騒動を生みました。それを表面上は断ち切りました。会長らが史郎氏の影響力を完全排除し、管理・統制できるかがポイントの1つです。

 Q…亀田ジムは今後どうなるのか

 A…五十嵐会長が東日本協会から除名されるか、JBCから資格取り消し処分を受ければ消滅となりますが、今回は処分が下りませんでした。ただ、今後行われる東日本協会の調査委員会の調査結果を受けて処分が下るため、除名となれば消滅します。

 Q…調査委員会の役目は

 A…東日本協会の北沢事務局長は「五十嵐会長が指揮系統など、健全に運営していたかを調べる」とし、個別に話を聞き、ジムの視察も予定しています。

 Q…亀田ジムが活動を再開するには

 A…五十嵐会長が無期限停止の処分解除申請ができるのは2年後。安河内事務局長が「ジム制度ではオーナー(会長)が司令塔」と言うように、史郎氏の影響下から離れ、ジム組織が正常に機能するようになることが大前提です。同事務局長は「簡単なことではない」とし、早期活動再開は厳しいとの見解を示しています。

 Q…大毅の初防衛戦は

 A…協会預かりになりましたが、可能です。WBAから坂田(協栄)との入札指令が出る見込みですが、誰が誰と話し合いを進めるのか問題点もあります。

 Q…これから3兄弟はどこで練習するのか

 A…他のジムでとなります。東日本協会の北沢事務局長は「調査委員会でジムを探した上で協議して決める」と話しています。