大相撲の横綱白鵬(30=宮城野)の新しい綱をつくる「綱打ち」が30日、東京・墨田区の部屋で行われた。建物の耐震性の問題から移転が決まっており、15歳だった00年12月23日に初めて足を踏み入れた部屋で最後の綱打ち。その後、四股やテッポウを繰り返して「この土俵、この建物と別れるのは今のところ(実感は)湧いてこないけど、半年、1年後に『あそこが懐かしいな』という、いい思い出になってくれれば」と名残惜しんだ。

 両膝には昔の傷痕が残る。「よく転ばされて血を流したから。それで鍛えて、ここまで来た」。血と汗が染み込んだ、その土や俵、そしてテッポウ柱は新しい稽古場に持っていく。ただ「恋人と別れる…そういうことだね。別れをする時が来たな」と寂しがった。

 新稽古場での始動は秋場所初日(9月13日)から。それまでは出稽古となり、「生まれつき、どの場所にも対応できるものがある気がするから大丈夫」とうなずいた。