大関稀勢の里(29=田子ノ浦)が、小結隠岐の海(30=八角)に痛い逆転負けを喫した。

 立ち合いで左を差して、得意の左四つに。力強く相手をはね上げながら、前に出た。ただ、右上手は取れておらず、抱え込む形は中途半端だった。そこが大きかった。土俵際で右に体を開いた隠岐の海に突き落とされて、バッタリ。優勝争いから後退する痛恨の2敗目を喫した。

 悔しさをあらわにし、帰りの花道では右太ももを強くたたいた。風呂場に入ると「アーッ!!」と声を張り上げた。ステンレス製の水飲み場が激しくたたかれる音も響いた。問いかけに無言のまま引き揚げる姿には、自分へのいら立ちがいつまでも残っていた。