20日に急逝した日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)が現役時代を過ごした稽古場が、ちゃんこ店として復活することが27日、分かった。

 東京・墨田区の旧三保ケ関部屋がリフォームされ、12月1日に「ちゃんこ増位山」としてプレオープンする。通常オープンは同7日になる。

 北の湖理事長と同期で、前三保ケ関親方(元大関増位山)の歌手、増位山太志郎(67)は「前から考えていたことだけど、今年になってから話を煮詰めてきた。稽古場を生かした店になります」と話した。三保ケ関部屋の稽古場は、増位山の定年にともなって2013年秋場所限りで閉鎖され、同年12月から約1年間は元幕内隆の鶴の田子ノ浦部屋が間借りしていた。

 稽古場はちゃんこ店に生まれ変わるが、横綱北の湖、大関北天佑らが育った土俵や、激しい稽古の痕跡が残る羽目板、テッポウ柱などはそのまま。土俵の周りや上がり座敷を改装して、40席を確保した。北の湖ら部屋OBの木札も掲げる予定という。

 増位山の長男で、店長を務める澤田偉貴氏は「三保ケ関部屋の力士が食べていた味を、そのままアレンジせずに召し上がっていただきます。本物の土俵を見ながら、本物のちゃんこを食べてもらいたい」とPRした。ちゃんこ場では、三保ケ関部屋出身で、九州場所限りで引退した元三段目の呉錦らが調理を担当。増位山の妻雍子(ようこ)さんは、おかみとして店を取り仕切っていくという。