横綱白鵬(31=宮城野)の綱打ちが26日、東京・墨田区の宮城野部屋で行われた。

 東京場所前恒例の行事で、今回の綱は、これまで使っていた綱より、やや細めの仕様となった。土俵入りの所作を、鏡に映して確認するなど気を引き締めていた。

 耐震性の問題で、同じ墨田区内から昨年秋に移転した。その移転から半年以上がたち、しこ名を記した番付札を掲げる壁や、神棚も設置。部屋名を記した看板も金色に上塗りされるなど、すっかりなじんできたようで、白鵬も「神棚も思い通りの場所に置いてもらった。稽古場も木のパワーを感じられる気がします。体作りに励んで出稽古にも行って頑張りたい」と心機一転の様子だった。

 午後は両国国技館で行われた力士会に出席。会の冒頭で「6年間、ありがとうございました」とあいさつし、会長の座を日馬富士(32=伊勢ケ浜)に譲った。この6年間、野球賭博問題や八百長問題など難題に見舞われ、自らの誕生日だった11年の3月11日は東日本大震災が発生。それらを思い出し「震災で相撲が取れない時期があったり(技量審査場所で)賜杯がなかった場所もあった。1人横綱の時代もあった。いいタイミングで託します」と感慨深げに話した。