「讃岐対決」を満喫したようだ。西前頭8枚目の琴勇輝(25=佐渡ケ嶽)が、新入幕で東前頭13枚目の天風(25=尾車)と対戦。三役経験もある実力差を見せつけ、押し出しで快勝した。

 幕内の番付に、複数の香川県出身力士が名を連ねるのは、1962年(昭37)九州場所が最後(大関琴ヶ浜と前頭大豪)だった。それ以来、54年ぶりに複数人の幕内力士が誕生した上に、一門別総当たりなどのため、この日が関係者が明治時代にさかのぼって調べてもないとされる、香川県出身力士による本場所での幕内対決が実現した。

 「お互い、長くやれば今後も対戦はあるだろう。なかなかなかった(香川県出身力士)対戦だから、せっかくだから楽しんで取ろうかなと思った」と琴勇輝。200キロ超の相手の突進を、右からついていなし、巨体を泳がし横向きにさせて押し出した。

 「地元の人は楽しみにしている。戦う時はライバルだけど、県を盛り上げたい気持ちは(互いに)ある。地元の人を喜ばすのも1つ(力士の役目として)あるからね」。互いに幕下だった11年初場所10日目以来の対戦で、通算は4戦全勝。そんな数字は抜きに「讃岐対決」を満喫していた。