大相撲の秋場所で史上初めてかど番で全勝優勝を飾った大関豪栄道(30=境川)が一夜明けた26日、東京都足立区の境川部屋で会見し「今までだいぶ裏切ってばっかりだったので、やっと1つ、期待に応えられたかなと思います」と喜びに浸った。

 久しぶりにコンスタントに稽古できたという場所前。ストレートで勝ち越してかど番を脱出し「中日を過ぎたあたりから、自分でも乗っているのが分かりました。すごいいい気合の入り方をしているなと。今までにはなかった」という。ただ、全勝優勝については「自分でも信じられない。今まで最高でも12勝ですから。まさか全勝は夢にも思わなかった」と素直に驚いていた。

 九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)では初めての綱とりに挑む。「来場所のことは考えられないですね、今は」と笑いつつ「一生懸命やるだけです」と、決して多くを語ることはなかった。ただ、綱とりに挑むこれまでの大関を見て「プレッシャーがすごいある中で、やるんだなというのは見ていた」。その上でポイントとしては「過度に意識しないことと、自分の得意な形で相撲を取ること」と掲げた。

 そして「1つ結果は残しましたが、これで終わるとまた『ダメ大関』って言われますから(笑い)。これからが大事ですね」。決しておごることなく、偉ぶることもない、豪栄道の初めての優勝一夜明け会見だった。