日本最古の大相撲トーナメントである第75回全日本力士選士権が3日、東京・両国国技館で行われ、大関稀勢の里(30=田子ノ浦)が初優勝を果たした。初戦で玉鷲を寄り切りで下すと、蒼国来、弟弟子の高安、新鋭の御嶽海を次々と撃破。優勝戦(決勝)は大関照ノ富士(24=伊勢ケ浜)を寄り切って歴史に名を刻み「うれしいです。狙ってた? うん、そういう気持ちでやってました」と話した。

 3場所連続の綱とりだった秋場所は序盤で崩れ、10勝止まりで振り出しに戻った。場所後の1週間は「動かすところは動かして、休むところは休んで」とリフレッシュして「また気持ちも、心も体も、いい状態で明日からの巡業を迎えたい」と話した。10日には地元茨城の土浦市で秋巡業が開催されることもあり「いい状態で行きたかったけど、これはこれで叱咤(しった)激励も受け止めて、めげずにやっていきます」と、再び横綱昇進へ歩み始める。