平幕で全勝だった3人が全て敗れ、無傷は横綱白鵬(31=宮城野)と大関稀勢の里(30=田子ノ浦)の2人だけとなった。三役以上の1敗力士も不在で、優勝争いは早くも「2強」によるマッチレースの様相を呈してきた。

 ここまでの稀勢の里の相撲を、この日、幕内後半戦の審判長を務めた二所ノ関審判部長(60)は「全ていいね。今のところ、いいんじゃないかな。これで乗ってくるんじゃないかな」と評価。新関脇の正代(25=時津風)を力でねじ伏せたこの日の一番も「相手は変わる(変化する)ような相撲じゃないから完璧」と評した。

 「2強」によるマッチレースには、12日に還暦を迎えた審判部長も「一騎打ちになってほしいね。十何日目かまで持ってくれたら盛り上がるところ」と歓迎の様子。もっとも問題は、ここから。「稀勢の里は(星を)落とさないでほしいね。白鵬は落とさないだろうから」と、注文も忘れなかった。