急逝した元小結時天空の間垣親方の兄弟子、豊ノ島(33=時津風)が1日、突然の別れを惜しんだ。自身にとって最初の弟弟子だっただけに「早すぎるよ」と沈痛な表情。亡くなった31日は、稽古場で線香を上げては涙を流した。ケガで苦しむ中、励ましてくれたのは間垣親方が唯一歌う歌「上を向いて歩こう」だった。歌詞を改めて読んで「今の自分に必要なものがあった」と感じ取った。

 思い出話は尽きない。02年に間垣親方が入門してきた頃、言葉遣いや生活の指導をした時に反抗されることもしばしば。「都合が悪くなると『日本語分かんないよ』って口癖のように言ってた」と、懐かしがりながら笑みを浮かべた。豊ノ島は、昨年名古屋場所前の稽古中に左アキレス腱(けん)を断裂。8月に間垣親方が引退した際に電話で「時天空の分まで頑張る」と約束を交わした。現在は幕下から巻き返しており「亡くなったからってわけではないけど。関取にね」。昨年秋場所以来の関取へ、上を向いて歩き出した。