4勝2敗で既に勝ち越しを決め、10代関取を確実にしている西幕下筆頭の貴源治(19=貴乃花)が、今場所最後の7番相撲に登場。同7枚目の大翔鵬(追手風)に右四つの体勢から寄り切られ4勝3敗。有終の美は飾れなかった。

 前日の13日目終了時点で、富士東と北はり磨の2人が十両から幕下に陥落することが確定的になった。この時点で、幕下から十両への昇進は、優先順で貴源治と西3枚目で5勝2敗の明生(立浪)の2人が有力候補だった。この日、東筆頭で3勝3敗の阿夢露(阿武松)が敗れ負け越したため、貴源治は1番手候補としての昇進が確実になった。

 本人も「昨日、みんなに(昇進確実を)言われました。今日は気を抜いたわけではありません」と、あっけなく敗れた一番も集中力は維持して臨んだことを明かした。

 師匠の貴乃花親方(元横綱)が育てた3人目の関取として、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)は晴れて関取で臨む。初日前日の5月13日に20歳の誕生日を迎えるが、番付発表の5月1日は10代で迎える。「ファンの方に夢や勇気を与えられるような力士になりたいです」と貴源治。

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が強行出場を決めたことには「きのう、テレビで横綱がケガをしたのを観ていて『師匠(貴乃花親方)だったら出るんだろうな』と思ったら(稀勢の里も)出ることになりました。(2人は)似ているものがあります。自分も受け継ぎたいです」。土俵の鬼の継承者として、将来の横綱候補が新たなスタートを切る。