13日目の日馬富士戦で左肩から胸付近を負傷し、強行出場となった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜(31=井筒)に寄り切られ手痛い2敗目を喫した。

 立ち合い右の張り差しを試みたが、差し手争いで左を差せなかった。鶴竜にもろ差しを許すと、そのまま力なく土俵を割った。

 負傷した左肩付近を広範囲のテーピングで固定し、満身創痍(そうい)の状態だったが、本来の実力を発揮できなかった。

 千秋楽は逆転優勝の望みを懸けて、1敗で優勝争いのトップを走る大関照ノ富士と対戦する。稀勢の里は「明日(千秋楽)しっかりやります」と厳しい表情で話し、会場を引き揚げた。

 前日13日目に負傷した際はうめき声を上げるなど、痛々しい姿を見せていたがこの日は終始ポーカーフェイスを貫いていた。