13日目の日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場した新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は、横綱鶴竜にあっけなく寄り切られて2敗に後退した。左肩から上腕にかけてテーピングを施し、意を決して臨むも、いつもの相撲は取れなかった。それでも、千秋楽の出場も明言した。

 ◆主な横綱の強行出場 73年九州では、輪島が12日目に右手人さし指と中指を裂創。13日目は北の富士に敗れたが、琴桜も敗れたため4度目の優勝が決定。14日目から休場した。99年秋は、若乃花が10日目に左太ももを肉離れ。11日目から5連敗し7勝8敗と負け越した。01年夏は、貴乃花が14日目に右ひざを亜脱臼。千秋楽に強行出場も武蔵丸に敗戦。だが、優勝決定戦を制し、小泉純一郎首相から「感動した」と絶叫された。03年初は、貴乃花が右ひざ不安を抱えて出場も、2日目に左肩鎖靱帯(じんたい)を損傷。3日目から休場も5日目から再出場したが、9日目に引退した。