大相撲の春巡業は12日、神奈川県横須賀市で行われ、横綱鶴竜(31=井筒)が若手に苦言を呈した。

 関取衆らによる申し合い稽古を土俵下で見終えると、最後のぶつかり稽古で夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)で新入幕確実の20歳のホープ、阿武咲(おうのしょう、阿武松)を指名。何度も土俵に転がしたり、一緒にすり足をして汗を流した。時折、苦悶(くもん)の表情を浮かべた阿武咲に約10分間胸を出した。土俵を下りた後も身ぶり手ぶりを交えて言葉をかける熱血指導。指名理由を「稽古が足りていない感じだった」と明かし「ちゃんと押さないから(時間が)長くなる」と指摘した。

 さらに若手全体についても言及。「抜いてないやつもいるけど」と前置きして「2、3番取ってしんどくなると力を抜くのが一番良くない。しんどい時が一番身に付く。ベテランじゃないんだから。若手なんだから」とチクリ。今巡業は横綱白鵬、稀勢の里、大関豪栄道、照ノ富士が休場で大関以上の参加は日馬富士との2人。それだけに「なるべく自分が言えるように」と横綱としての責任感を持っていた。