大相撲夏場所(14日初日・東京・両国国技館)の新弟子検査が9日、両国国技館で行われた。申し込みは7人だったが1人は受けず、受検した6人全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。内臓検査の結果を待ち、14日の初日に合格者が発表される。

 昨年のアマ横綱で、幕下15枚目格付け出しの承認を受けている矢後太規(たかのり、22=尾車)は187センチ、172キロで体格検査をパスした。中学1年で左の靱帯(じんたい)を断裂、2年時に右の半月板損傷と両膝に古傷を抱えるため「万全な状態になってから」と、3月の春場所での初土俵は見送った。膝の状態は「大丈夫です」と話し、相撲部屋での生活にも「だいぶ慣れました」という。

 ただ相撲そのものは、幕下クラスの若い衆と稽古していても「まだまだ自分の相撲は通用しない。周りの人を見て、もっと伸びしろが出来ると思った」と力量不足を痛感している様子。また前日、尾車部屋に連合稽古で訪れた、あこがれの横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)を間近で見て「やっぱりすごいなと思った。前に出る圧力とか、力強さを感じました」と感慨も新たにした。

 現状を認識し「1番1番、頑張るだけです。100%の状態で臨めるよう、稽古で頑張ります」と大風呂敷は広げない。デビューの夏場所は7戦全勝なら1場所で新十両の座をゲットできるが「何場所とか考えず1番1番、集中して勝ち越しを目指します」と足元を見つめた。