関取復帰を目指す幕下の豊ノ島(33=時津風)が、2番相撲で同16枚目の琴太豪(24=佐渡ケ嶽)と対戦。寄り倒しで敗れ2連敗となった。

 4場所ぶりの関取復帰を目指した3月の春場所で1勝5敗1休と負け越し。幕下陥落4場所目の今場所は、番付を2ケタに落とし東幕下19枚目で臨んでいる。

 立ち合いは「もろ差し狙いで」(豊ノ島)立ったが「思ったのと違うような立ち合い」になってしまった。右をのぞかせ左の前みつを引いた琴太豪に寄り立てられ、左右に振ろうとしたが正面土俵際に。左を首に巻き、最後は捨て身のうっちゃりを打とうとしたが、体を密着され背中から落ちた。

 初日の1番相撲で、武玄大(28=藤島)に突き落としで敗れ黒星発進。「1敗して2敗しちゃいけないとか負けられないとか、いろいろ考えすぎてしまう。開き直って楽しんで相撲を取れればいいんだけど、勝負事だからなかなか楽しむことはできない」とマイナス思考に陥った胸中を明かした。

 通算75場所の在位で1場所15日間、相撲を取れた関取の時代と比べ、今は1場所7番の幕下以下での本場所。1番の重みをひしひしと感じ「15日間なら(今場所の2連敗)5連敗したのと同じ。(関取時代の)4、5連敗より気持ち的にはしんどい」とも吐露。「後ろに『引退』の文字がどうしてもある。負けると(その2文字が)迫ってくるというか」と険しい状況を口にした。気持ちを切らさず、今は「忍の一字」で打開をはかるのみだ。