38歳7カ月の安美錦(伊勢ヶ浜)が十両の戦後最年長優勝を逃した。

 9勝5敗同士で、勝てば優勝という錦木(26=伊勢ノ海)との1番は立ち合いが合わず、3度目の仕切りでようやく決まった。

 土俵際で錦木の押しをしのいだかに見え、1度は自分に軍配が上がったが、同体取り直しに。今度は2度目の仕切りから、前に出たがはたき込まれ、土俵に両手をついた。

 メモリアルVを逃した。「(立ち合いが合わなかったのは)向こうが早く当たりたがっていたから。(軍配が)こっちに上がったし『そのままで』と思ったけど…。しょうがないよ」。大声援について「『がんばれ』じゃなかったし、応えたかったけど」と語った。思わぬ形の長い戦いはベテランにはつらかった。「体が動かないよ。下がるわけにはいかないし、前に行かないと…と思ったら、落ちちゃったよ」と苦笑いを浮かべていた。