優勝争いのトップを走る大関豪栄道(31=境川)が急失速した。貴景勝に敗れ、2連敗。残り2日でリードが2差から1差に縮まってしまった。

 取り口は最悪だった。強烈な立ち合いが売り物の、埼玉栄高の10歳後輩を、立ち合いで当たった直後にはたきに行った。その後は逃げるように後退し、必死ではたき続けたが、最後は逆にはたかれ、土俵にばったり両手をついた。何もかもうまくいかない完敗に、土俵上で首をひねった。

 納得いかない点を「う~ん、全部」とこぼした。取り口の硬さを「そうすね」と認めた。12日目に松鳳山に敗れ、2日目からの連勝が10で止まった影響も「多少あったかもしれない」とこぼした。自分の出番前に、後続の4敗力士10人中、7人も負けた。圧倒的な追い風を受けながら、それに乗れないもどかしさがある。

 残り2日で16人に優勝の可能性が残る異常事態。それでも、14日目、貴ノ岩戦に勝ち、11勝3敗とし、4敗の1差で自分を追う2人、横綱日馬富士と新入幕の朝乃山が負ければ、優勝が決まる。優位さを感じさせないムードが漂う中で「気合を入れて、悔いのないように」と自分に言い聞かせるように話していた。