大相撲の横綱白鵬や九州出身の関取衆らが5日、九州北部豪雨に被災した福岡・朝倉市を慰問した。

 現在は九州、沖縄を回る冬巡業の最中だが、この日は空き日。巡業部長代理を務める春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)らとともに、バスで現地入りした一行は、黙とうをささげた後、地元市民と交流した。土俵入りを披露し、大歓声を受けた白鵬は、訪れた大勢の小学生に「夢をたくさん描いてほしい」と語った。

 また、白鵬の土俵入りで太刀持ちを務めた東前頭筆頭の玉鷲は、九州場所の宿舎が朝倉市だった縁もあって、人一倍市民との交流に努めた。11月の九州場所では、朝倉市民との温かい交流を思い出し、勝ち越しを決めた後に涙を見せて喜んだ。それでも実は、地元市民との約束は10勝以上だったことを明かし「朝倉の皆さんからパワーをもらったおかげで11番勝てた。ここは自分にとって1つのふるさと。温かい場所。こうしてまた戻ってきて『ただいま』という感じ」と、終始笑顔を振りまいた。来年1月の初場所に向けては「上の上を目指したい」と、三役返り咲きには満足せず、大関とりにも意欲をのぞかせていた。