関脇栃ノ心(30=春日野)が東前頭4枚目の千代大龍(29=九重)を、万全の相撲で寄り切って無傷の10連勝。優勝争いで単独トップを守るとともに、場所後の大関昇進を濃厚にした。

 大関昇進をはかる審判部のトップで、この日の幕内後半戦で審判長を務めた阿武松審判部長(56=元関脇益荒雄)は、大関昇進について「相撲っぷりが安定していて大関相撲を取っている。濃厚でしょう」と話し「決定ではありません」とも付け加えた。

 「濃厚」の真意については、14勝1敗で優勝した先々場所が平幕だったことも1つの理由のようだ。仮に、残り5日を全敗でもしようものなら、3場所合計34勝を挙げたとはいえ印象も悪くなる。あと1つ、2つの白星の上積みを期待するように、現状を「王手をかけてますね」とも話した。

 それがクリアできれば、理事会の開催を要請するために、審判部で話し合い意見を統一する。「最後までみて、いずれかのタイミングで」と、千秋楽までには意見を取りまとめる手はずを整える。13日目は横綱白鵬戦が予想されるため、14日目のうちに意思統一されると思われる。