元横綱朝青龍のおいで東三段目42枚目の豊昇龍(19=立浪)が29日、名古屋市緑区にある宮城野部屋へ出稽古し、同じモンゴル力士の大先輩で、伯父とはライバル関係にあった横綱白鵬(33=宮城野)と念願の手合わせをした。

 3月の春場所で序ノ口デビューし6勝1敗。5月の夏場所は序二段で7戦全勝優勝を果たし、ちょうど100枚、番付を上げて臨む名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)を前に、これ以上ない弾みがつく形となった。前夜から電話で出稽古を“予約”。この日は、まず序二段から幕内の石浦までを相手に、38番の猛稽古。その後、白鵬が土俵に上がり三段目の力士を相手に3番を取り終えると、豊昇龍を指名。連続3番の相撲は寄り切り、上手出し投げ、寄り切りと全く歯が立たなかったが、最後のぶつかり稽古でも、たっぷり鍛えられ充実の出稽古を終えた。

 息も絶え絶えの稽古を終えた豊昇龍は「横綱にぶつかることができて、うれしいです。去年、稽古してもらった後、自分はバーンと強くなってインターハイも準優勝できました」と、まだ日体大柏高3年だった昨年4月に、友綱部屋で白鵬に稽古をつけてもらって以来、入門後としては初めて胸を出してもらい充実の笑みを浮かべた。白鵬も「自分も(朝青龍に)稽古をつけてもらったから、今度は(自分がそのおいに)稽古をつけてやってね。不思議だね、歴史は繰り返すね。あとは彼次第」とエールを送っていた。