大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が5日、名古屋市の部屋で稽古後、名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ)の休場を決めたと表明した。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、先場所まで並んでいた貴乃花を上回り、単独で最長となる8場所連続休場となった。四股やすり足などの基礎運動を行った稽古後、報道陣に対応し「調整がうまく進まず、まだ相撲が戻らないので、今場所は休場することにしました。また来場所、すべてをかけて頑張っていきたい」と語り、9月の秋場所での復活を誓った。

 西前頭2枚目の千代の国と11番取って8勝3敗だった、前日4日の九重部屋への出稽古後に決断した。「昨日(4日)終わって、全体的に物足りなさがあった」という。千代の国には最後は6連勝だったが、途中まで2勝3敗と苦戦。それまでも、6月末に2日連続で行われた二所ノ関一門の連合稽古で、対戦の可能性が極めて低い幕内下位の相手を指名するなど、調整遅れを親方衆や解説者らから指摘されていた。

 一方で2日は三番稽古、3日はぶつかり稽古と、2日続けて横綱白鵬に胸を借りて「目覚めた感じがする」とも語っていた。この日も「体も良くなってきたし、動いて(状態が)上がってきた。だいぶ名古屋でつかめた。筋力的にもだいぶよくなっている」と、手応えもつかんだ。それだけに「もっともっと自分に厳しくしていきたい」と、表情を引き締めていた。