大相撲の元特等床山、床寿の日向端隆寿(ひなはた・たかじゅ)さんが4月30日夜、肺炎のため都内の病院で亡くなっていたことが分かった。2日、関係者が明かした。75歳だった。床寿は青森県南部町出身で、59年に高砂部屋に入門。高見山、千代の富士、小錦、曙、朝青龍らそうそうたる面々の大銀杏(おおいちょう)を結い、高い技術に力士からの信頼も厚かった。08年11月に定年退職し、約50年、裏方として大相撲を支えたことが評価され、同年12月には日本プロスポーツ大賞功労賞も受賞した。

特に朝青龍からは「日本のお父さん」と慕われた。朝青龍から「大銀杏を結ってください」と願い出て、横綱昇進4場所目の03年秋場所から担当。以来、幾度となく酒を酌み交わし、床寿の定年に際して朝青龍は「自分がここまでできたのは床寿さんのおかげ」と話している。最後の場所となった08年九州場所では「名人床寿さん江 第六十八代横綱朝青龍」と入った幟(のぼり)も贈られ、会場に飾られた。直後の09年初場所では優勝パレードに招待され、オープンカーに一緒に乗った。

定年後も元気な姿を目撃していた関係者は多く、高砂部屋の力士には昨年末も「何かあったら連絡するから」と、陽気に話していたという。趣味の歌はプロ級で、レコードを出したこともある。多彩な人だった。通夜は5日午後6時から、告別式は6日午後1時から、ともにセレモ江戸川ホール(東京都江戸川区谷河内1の1の16)で営まれる。喪主は日向端育子さん。