大相撲の貴景勝(22=千賀ノ浦)が、新大関の貫禄を見せつけた。夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて7日、東京・江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。「自分の攻めを確認できる」として、突き押しと四つでの攻めを得意とする前頭矢後を指名。連続9番取って全勝した。

両差しで素早く寄り切る場面もあったが「徹底することが正解だとも思う」と本来の押し相撲で圧倒。自身より9キロ重い178キロの巨漢を、何度も電車道で持っていった。「一番疲れる時期だけど、いろいろつかめてきたものがある」と手応えを語った。

大関高安が欠席し、最高位力士として稽古場に立った。新大関として初の連合稽古だったが「変に大関と思わずにやる。1場所も経験していないので実質、大関じゃないもの」と気負いなし。稽古を見守った同一門の尾車親方(元大関琴風)も「横綱になり得る大関」と、協会の看板力士として期待した。解説者の舞の海秀平氏(元小結)は「貴景勝の相撲は大きく崩れるタイプじゃない。分析して考える力は優れているから大丈夫」と本場所での活躍を予感した。【佐藤礼征】