三段目は勇磨(21=阿武松)が、入門7年目で初めての各段優勝を遂げた。

三段目は、6戦全勝で3人が並んでいた。まず竜風(26=尾車)が、序二段で全勝だった宇良(27=木瀬)に敗れ、この時点で優勝争いは、勇磨と東26枚目の佐田ノ華(23=境川)の直接対決に決まった。館内アナウンスでも、そのことが流され拍手が起きた中で迎えた一番は、激しい突き押しと、めまぐるしく動き回る攻防の末、最後は勇磨がはたき込んで勝負を決めた。

本人は、優勝のことなど全く無頓着だったようで「いつも通りだった。優勝なんて全く意識してなかった」と言い、この1番で優勝者が決まることも知らずに「(館内アナウンスで)聞いて初めて知った」という。今場所の快進撃も、自分では要因を探しあぐねる様子で「毎日、同じことしかしてないんで…」。継続は力なり、を地でいく成果に「それが白星につながったのかな」と話した。

左膝のケガで17年九州場所から丸1年、本場所の土俵から遠ざかった。それでも腐らず「前より頑張ろうと思った。もっとできることがあるんじゃないかと思って稽古した。体重を増やすのが最初に考えたことで、12キロぐらい増えました」と筋力アップの体重増も奏功した。

最高位は先場所、初めて上がった東幕下51枚目。2勝5敗ではね返されたが、今場所の7戦全勝で来場所は、一気に関取も目指せそうな幕下上位に番付アップは確実。年始に立てた今年の目標は「去年の最高位を更新すること」だったが「違う目標を考えます」と、うれしい悲鳴の上方修正を余儀なくされる。年始の書き初めには「因果応報」と書いた。「いい行いをすれば、いいことが起きる。いい稽古をすれば必ず結果が出る」(勇磨)という思いを筆に込めた。さっそく、結果として表れたが、来場所に向けては「頑張りますとしか言いようがありません。いつも通りに稽古してチャレンジしたいです」と実直な性格そのままに、無欲で関取の座を目指す。