西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が首位を守った。立ち合いから竜電を圧倒。左右ののど輪で一気に相手の上体を起こすと、最後は左をのぞかせ、右のど輪で一押し。「前に出られたので、本当に良かった」。前日12日目の明生戦は相手を見すぎてしまう消極的な相撲で、土俵際の突き落としで白星を拾った。久々の快勝に「やっぱりああいう相撲で勝ってきてるわけではないので、考え直してああいう相撲を取らないとなと思った」と振り返った。

残り2日間に向けて、本来の突き押しが復活してきた。過去の押し相撲の名力士の動画はたくさん見るという大栄翔。中でも「北勝海関、理事長の相撲を見ています」と、突き押しを武器に綱を張った八角理事長(元横綱北勝海)の取り口を参考にしているという。初優勝へ高まる緊張感。「(優勝への意識は)それもゼロではないけど、変に考えすぎずに1日一番でやっていきたい」と意気込んだ。