朝乃山(27=高砂)の大関陥落が確実となった。日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反が発覚し、夏場所12日目から謹慎で休場。名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)をかど番で迎える。緊急事態宣言中のキャバクラ通いに加え、協会への虚偽報告など、複数場所出場停止などの厳罰処分は必至だ。優勝争いは、大関返り咲きの照ノ富士が1敗を守り、1差で大関貴景勝が追いかける展開で、残り3日間となった。

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ガイドライン違反が発覚した朝乃山が休場した。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「外出禁止の時に外出したので謹慎です」と説明。朝乃山は夏場所2日前の7日を含み、緊急事態宣言中に複数回キャバクラに行っていた。協会の事情聴取に対し、当初は事実無根を主張。11日目の打ち出し後に一転、再度の聴取に対して、事実を認めた。

芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「本人はなかなか首を縦に振らなかったそうだが、突き詰めていったら認めた」と聴取の様子を明かした。今後は日本相撲協会のコンプライアンス委員会が事実関係を調査し、その後の理事会で処分が決まることになった。

ガイドライン違反では、昨年7月場所に当時幕内だった阿炎が場所前と場所中にキャバクラに通い、出場停止3場所と5カ月の報酬減額50%の処分を受けた。阿炎の前例がありながら協会を裏切った罪は重く、阿炎を超える処分は免れない。かど番で迎える名古屋場所を含む複数場所の出場停止は確実。仮に阿炎と同等の処分だったとしても、大関陥落だけではおさまらず、十両からの出直しとなる。

芝田山広報部長は「コロナ禍の大変な時に、本場所に大きな穴を空けたということは重大な責任。協会の最高位である看板を背負っている本人が穴を空けたということは重大な不祥事だ」と怒りをにじませた。