大相撲で新横綱の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が24日、東京・明治神宮で横綱推挙式に臨み、不知火型の土俵入りを披露した。

古傷の両膝にテーピングを施して1分42秒、力強い四股やせり上がりを見せた。同部屋の幕内力士である照強を露払い、宝富士を太刀持ちに従え、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や、兄弟子の元日馬富士も使用した三つぞろえの化粧まわしを着用。緊張感も漂う初披露だったが、照ノ富士は「まだ自分の目で見てないので何とも言えないけど、ちゃんとできたかなと思う」とうなずいた。土俵入りの出来栄えに、師匠は笑みを浮かべ「67点くらい」と“辛口”採点も「体が大きいし、横綱土俵入りが似合いますね」と上機嫌だった。

動画配信を通じて約3000人のファンが照ノ富士の晴れ舞台を見守った。平時なら観客が集まるが、新型コロナウイルスの感染対策としてこの日は観覧が不可。それでも「これは仕方ないこと。逆にこうやって土俵入りできたことを感謝して、ちょっとずつみんなに元気を与えていきたい」。第73代横綱として、大きな1歩を踏み出した。【佐藤礼征】