[ 2014年6月22日7時15分

 紙面から ]コロンビア戦へ向けて調整する川島(撮影・松本俊)

 スコアレスドローに終わったギリシャ戦から一夜明けた20日(日本時間21日)、日本代表は練習を再開した。

 守護神のGK川島永嗣(31=スタンダール)は自ら「奇跡」という言葉を使い、決勝トーナメント(T)進出への思いを語った。急に肌寒くなった拠点のイトゥに戻り練習を再開。直後の合同取材で、胸の内を素直に言葉にした。

 「可能性がなくなったわけではない。奇跡は、奇跡を信じない人のところには起きない。他の結果を変えるくらいの気持ちを持ってやる」

 自力で決勝T進出はできない。コロンビアに勝った上で、ギリシャ-コートジボワール戦の結果次第となる。「他の結果」とは、日本の行く末を決めるもう1試合のこと。同時刻に行われる試合の結果はどうしようもない。すべて分かってはいるが、念じて結果を「変える」とまで言った。この気持ちこそが「奇跡」を起こす力になる。

 機能しない攻撃陣とは対照的に、安定したパフォーマンスで最後の砦(とりで)として文句なしの働きを見せている。信念がある。

 「GKはゴールが取れるわけじゃない。でもGKのプレーで流れを変えられることはある。この2試合もこれからも死ぬ気でゴールを守ること、そこに集中してやりたい」

 口調も表情もいたって冷静だったが、熱い思いがあふれ出た。「どれだけ、W杯前に言っていた大きな目標ややってきたことを、自分たち自身を信じられるかどうかが試されている」。こう自分自身とチームに問いかけた。答えはピッチで示す。【八反誠】