指原莉乃さんは本当にすごい。たった今、30日午前0時に、代々木アニメーション学院の公式ホームページで「指原莉乃が声優アイドルグループをプロデュース」というニュースが正式発表されました。

 実は指原さんは一足先に報道陣向けに記者会見を開いていました。現役アイドルが、自分の育ての親、秋元康AKB48総合プロデューサーのように、アイドルグループをプロデュースするといいます。中学時代からアイドルファンだった彼女は「アイドルオタクがアイドルグループを作ります」と宣言しました。

 さて何がすごいかというと、そのトーク力です。バラエティー番組で今も引っ張りだこで、実力は折り紙付きですが、記者会見でも相変わらず、さえていました。

 まず登壇すると、開口一番「私もついに秋元康さんと同じ土俵に立ちます。ここは一発、『秋元康超え』でいこうと思います」とアピールしました。

 もちろん、本気で希代のプロデューサーに対抗できるとは思っていません。会見の後半では「あらためて自分がアイドルをプロデュースすると考えると、ミリオンヒット曲を出して、総選挙やじゃんけん大会の開催を思い付いて実行した秋元先生のすごさを再確認させられます」と師匠をたたえています。

 ただ、新聞記事や情報番組で見出しに採用されやすいキャッチーな一言を、きちんと用意してきて、言い切るところが、タレントとしての能力の高さです。

 何も考えていないタレントや自己保身ばかりのタレントだと「秋元先生をライバルだなんて、おこがましくて言えません」などと、中途半端なコメントに終始して、記者会見の本来の意図(事業のPR)を台なしにしてしまうことが多いのです。

 真意を読み取れない人には「初心者プロデューサーなのに、秋元康にライバル宣言するなんて、何て謙虚さに欠けた人なんだ」と誤解されるかもしれません。それでも、そんな些細(ささい)な事に惑わされず、自分に託されたPRという目的を、きちんと遂行してくれるのですから、採用する側(スポンサー)からしたら、理想の働きです。

 囲み取材では、ちょっと意地悪なリポーターから「オーディションでは、どのように選ぶのですか? もしかして勘ですか?」と誘い水をかけられました。すると「あっ、これは言わないように気を付けないとって思ってたのになぁ~」と苦笑いしながら、「野生の勘」と、狩野英孝さんの女子高生への淫行疑惑への謝罪会見と同じ発言で笑わせました。トラップに気づいても、求められている発言を瞬時に理解して、きちんと応えてくれたのです。

 恋愛禁止かどうかも尋ねられると「(スキャンダルでHKT48に移籍した)私に聞きますか? 禁止はしないけど、やるならファンが減る覚悟でねと言います」と、自虐ネタを交えて、笑わせてくれました。ほかにも「いよいよ私も(アイドル業の)土俵入りですね」と言うなど、時事ネタをたくさん取り入れて、話してくれていました。

 いかに会見前から、事前にトーク内容をシミュレーションして準備をしてきているかが伝わってきました。頭が切れているし、サービス精神も満点でした。

 会見終了後、報道陣に向かって、「くれぐれもよろしくお願いします。野生の勘発言は、穏便に上手に使って下さい」と頭を下げられました。実際に、テレビの情報番組でどのように紹介されるかは、夜が明けてテレビを見てみないと分かりませんが、マスコミはみんな「こちらも期待通りの受け答えもしてくれるから、本当にありがたいな」と絶賛されていました。

 スポンサーも報道陣も両方を喜ばせられるなんて、なかなかできるものではありません。ますます指原さんのニーズは高まっていきそうです。