名古屋を拠点に活動するSKE48が、待望のホームを手に入れた。名古屋・栄に専用劇場が完成し、9日にオープニングセレモニーと記念公演を行った。08年に結成以来、AKB48グループで唯一、劇場を持たないまま活動を続けてきた。借りてきた施設を8月から大幅に改修し、この日開場した。松井玲奈(21)松井珠理奈(15)らメンバーも感激の表情を見せた。

 松井玲奈の初々しい緊張感が、待ちわびた期間の長さを象徴していた。オープニングセレモニーで新劇場の感想を聞かれると、言葉が出てこなかった。「えーっと、何でしたっけ?

 すみません、緊張しちゃって…」。松井珠理奈は「待っていた分、喜びも大きい」と笑顔をはじけさせた。

 SKE48はAKB48グループの全国展開の第1弾として、08年に誕生した。現在、シングル6作連続でオリコン週間ランキング1位を獲得中。地方グループの枠を超える勢いで、全国にファンを獲得した。にもかかわらず、拠点の専用劇場はなかった。もともと劇場として使っていたスペースは、飲食店との複合施設。映画の試写会やお笑いライブなどがあると、公演はできなかった。専用劇場を持つという点では、妹グループのNMB48、HKT48に先を越されていた。出張公演で他グループの劇場に立つたびに「自分たちにも専用劇場を」という思いを強くしていた。

 待たされた分、新劇場はグループで最も豪華で、ワクワクする空間になった。学校の正門をモチーフにした入り口に、玲奈は「アミューズメントパークみたいです」。珠理奈も「前はこんなにかわいくなかった」と笑った。ステージは格段に広くなり、持ち味の躍動感のあるダンスを最大限に表現できるようになった。

 珠理奈が「最大の魅力はステージで一生懸命に歌い踊ること」というSKE48にとって最高の宝物が手に入った。今年は念願のNHK紅白歌合戦の初出場も決まった。玲奈は「これをきっかけに来年も飛躍していきたい」と、さらなる進化を誓った。【森本隆】