4日、フジテレビで地上波初放送されたディズニー映画「アナと雪の女王」のエンディングに殺到した視聴者からの苦情の一部です。新聞のテレビ欄などで「ノーカット」と謳っていたにもかかわらず、本来のエンディングではなく、フジ制作の特別エンディング「みんなで歌おう♪アナ雪」が放送されたことで「余韻が台無し」「誰特」「エンドロールまで含めて映画」とネット上が騒然としました。

 劇中歌「レット・イット・ゴー」をお笑いタレント浜口優や女子アナたちが次々とリレーで歌っていく、内輪大好きなフジらしい内容。全国から募集した視聴者動画を挿入して双方向をアピールしてはいますが、4月公開の映画の出演者たちがポスターの前で歌ったり、番宣色の濃いものでした。俳優のイメージダウンにもつながりかねず、見ていてハラハラしました。

 日本テレビ金曜ロードSHOWが「シャーロック・ホームズ」の画面左上に「黒幕はモリアーティ教授」「最後に待つ驚きの結末とは」などネタバレテロップを出し続けて酷評されたり、やたらと「バイオハザード」を放送するテレビ朝日・日曜洋画劇場が初期シリーズの回想シーンを挿入したり。ロードショー枠の独自編集は何かと物議を呼びます。切り貼りのセンスやテロップ加工の賛否が問われてきたわけですが、今回の「アナ雪」のように、局制作のまったく別の映像に差し替えてしまったのは驚きでした。

 フジ局内も、個々の意見はいろいろなようです。「映画やDVDで見ている人も多く、テレビでやる以上、独自の見せ方に挑戦するのは当然」という社員もいれば「ファンの多い作品だけにストレートに見せても良かった。いろいろ考えすぎ」という人も。視聴率は19・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「エンディングでお客さんが離れなければ20%に届いたかも」という声もありました。

 映画に関しては、テレビマンが思うほど「テレビならではの工夫」を受け手は求めていないのでは。せっかく2時間半も直前PR番組を編成していたのだから、「特別エンディング」のような豪華なおまけは、そちらで楽しみたかった気がします。

 にしても、いちばん気の毒なのはMay J.。「レリゴー」ブームの功労者なのに、エンディングごとカットされてしまいました。久々に聞きたかったMay J.。やはり、エンディングを含めての映画なのだと実感しました。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)