大泉洋(51)が24日、都内で映画「ディア・ファミリー」(月川翔監督、6月14日公開)の完成報告会見に菅野美穂(46)らと登壇。大泉で始まり、終わる「大泉劇場」が幕を開けた。

外はあいにくの雨。実施予定だった屋外での“家族写真”の撮影も中止になった。雨男で知られる大泉はどこ吹く風。「幸先のいいスタート。雨が降って当たり前」と自虐し、登壇するなり爆笑を誘った。

今作は、娘の命を救うために医療知識ゼロから人工心臓を開発した男性の実話を基にした作品。大泉は「大切な娘が、ただ亡くなってしまう話ではない。今僕が演じる意義があるんじゃないかなと思った」と出演の背景を明かした。

作品への熱意を語る一方、しんみりしたままでは終わらせないのが大泉。妻役を演じた菅野とは即席で“夫婦コント”を披露する場面も。絶対に乗り越えられないと言われた壁を乗り越えた今作のストーリーにちなみ、「最近乗り越えた壁」がトークのお題に上がると、司会者に水を向けられた大泉は、菅野に「母さん…」とパス。菅野もすかさず「あなた…」と乗っかり、司会者も「このコントは何なんですか」と思わずツッコミ。息の合ったかけあいで、会場の興味をつかんで離さなかった。

劇場公開まで残り、約1カ月半。会見終盤には、報道陣に背を向け、長女・川栄李奈(29)、次女・福本莉子(23)、三女・新井美羽(17)に説き伏せた。「これから我々は宣伝ファミリーとなる。それぞれ仕事を抱えているかもしれないが、頑張って宣伝していこうじゃないか。休みの日は全部宣伝だ!」。大号令に娘たちも「はい!」と二つ返事。父の威厳が宿った背中を見せた。【望月千草】

◆ディア・ファミリー 生まれつき心臓病疾患を持ち「余命十年」を宣告された次女を救うために、医療知識ゼロから人工心臓を作ろうと開発に立ち上がった、町工場経営の父親とその家族を描く。のちに世界で17万人もの命を救うことになるIABP(大動脈内バルーンパンピング)バルーンカテーテルを誕生させた奇跡の実話が基となっている。原作は、プロ野球巨人の球団代表などを務めたノンフィクション作家・清武英利氏の「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録」(文春文庫)。