TBS系「新チューボーですよ!」(土曜午後11時半)が18日に放送1000回目を迎える。放送開始の94年4月から21年間、司会を務める堺正章(68)がこのほど都内で会見した。

 節目に感慨深げだった。「ライフワークのように番組が続いていることが誇りです」。親しみやすい笑顔と気配りで、ゲストの魅力や意外な素顔を引き出してきた。仲代達矢(82)とコントを演じたり、内田裕也(75)のひげを引っ張り「トウモロコシのひげです」とおどけたこともあった。

 番組を担当するまで料理とは無縁だった。第1回ゲストは中森明菜(49)で、ボンゴレ・ロッソ(アサリとトマトのパスタ)を作った。評価は星1つだった。「昨日のことのように、ではないですが、鮮明に覚えています」。料理の腕も「素人の域は超えられない」と言いながらも、ぐっと上げている。思い出の放送は01年4月、スパニッシュオムレツを作った時だ。「最後、皿に盛り付けて終わりという時に、フライパンから半分こぼれました」。

 この21年間、私生活でもさまざまな変化があった。離婚と結婚を1度ずつ経験した。「この番組は人生とつながっているところもありますから」。94年3月の制作発表で、前妻岡田美里(53)が身ごもった第2子について「お医者さまから女の子だと聞かされました」と発表したこともあった。言葉通り、まさに人生と歩んできた番組だった。

 節目を迎えたが、達成感はまだない。「星3つとは言えない。僕の番組での頑張りはまだ星2つ。早く3つになれるよう頑張らないといけない」。

 周囲から2000回を期待する声も上がっている。「2000回の時は、もう90歳近いですからね」と言いつつも「その勢いで続けていけたら」と意欲を示した。【上田悠太】

 ◆「新チューボーですよ!」 ゲストとトークを交えながら料理を作る。完成した料理をゲストが星の数で採点。最低が無星で最高が星3つ。レシピや「街の巨匠」として一流の料理人も紹介する。アシスタントを同局アナが担当していたが、13年11月から、すみれがMCとして出演するようになり、番組名「チューボーですよ!」に「新」が付け加えられた。堺は番組内で「巨匠」と呼ばれている。