24日に54歳で亡くなった女優川島なお美さんと、墓石をともに生前購入するなど親交があった俳優奥田瑛二(65)が26日、京都シネマで映画「赤い玉、」(高橋伴明監督)の舞台あいさつ、サイン会を行い、帰り際に川島さんについて語った。

 「一番若いのに、先に(墓に)入られるとは…順番があるとすれば、切ない話ですよね」

 眉間にしわを寄せ、川島さんを思った。

 奥田は「何人かで将来のためを思って、お墓を買って。(川島さんとは)隣同士ではないけれど、まあ(近くに)。毎年、そのお墓(の近く)で花見をしたんですけどね、でも、一番若い彼女が、一番最初にそのお墓に入るとは、思ってもおりませんでしたから」と言葉を続けた。

 毎年、花見の季節には、生前購入した仲間で集まるなどする“墓友”で、定期的に集まっていた。最後に会ったのは「去年の冬だったかな…」。既に余命宣告を受けていた川島さんだったが、覚悟をした様子や、病状の深刻さは「いや、それは何も、ほんとに何も」なかったという。

 それだけに、突然の訃報に「びっくりしました。まさか…ですね」と話した。

 病と闘いながらも、亡くなる直前まで女優として舞台に出演。生涯現役を貫いた生きざまには「うーん…生きざま…どうなんだろう、分からない、僕には。気持ちとしては分かりすぎるほど、分かるけども、どういう気持ちだったのか、ぼくには分からない」と考え込んだ。

 同じ役者として、強い共感がある一方で「(当時の気持ちは)本人のみぞ知る気持ちだし、なかなか、俳優という仕事をやっている以上は、なかなか(生きざまへの感想は)言えないですね」と、川島さんの壮絶な死に似合う言葉が見つからない様子だった。

 この日は、関西地区2カ所で、主演映画「赤い玉、」のあいさつ、サイン会を開催。映画は、奥田が、大学で映画を教える映画監督を演じ、愛人と男女関係を重ねるうち、街で見かけた女子学生にひかれ、追いかけ、新作の脚本を書き進める展開で、ラブシーンも各所にちりばめられている。

 奥田は「昔は日常の中にあるエロスをとらえた作品はたくさんあったが、昨今は見かけない。日本映画からエロスがなくなったらダメだ」と話していた。