歌手郷ひろみが、60歳の誕生日を迎えた18日、全国ツアー50公演目千秋楽の東京・国際フォーラムコンサートを開催した。来年2月3日、東京・サントリーホールでオーケストラと共演する特別コンサートの開催も発表。還暦でもノンストップで走り続けると宣言した。

 パワフルな歌声とキレ味鋭いダンスで、観客約5000人を魅了する。とても60歳とは思えない。「人生で一番楽しみにしていた、最も光り輝かせる年代が、いよいよ始まった」。そんな発言が、少しも強がりに聞こえない圧倒的なパフォーマンスだ。

 「2億4千万の瞳」「言えないよ」「お嫁サンバ」「GOLDFINGER’99」…。老若男女が知るヒット曲の連発で、記念ライブを彩った。ケーキとバースデーソングの大合唱で祝われると、「みんなの気持ちが、ひしひしと伝わってきました。ありがとう」と感謝した。

 開演前の記者会見には、鮮やかな赤の衣装で登場し、還暦を迎えた心境を語った。「自分の中に期待、願望、責任感が沸々と湧いています。まだ見ぬ新しい自分を見つけて披露したりと、充実した年代にしたい」。1日置き、2時間のハード筋力トレーニングを続けている。腹筋の回数を聞かれると、「30分ノンストップで700~800回ぐらい。今朝は腕立て伏せの時に子供が背中に乗ってきてたね」。歌声も衰えるどころか、「逆にもっと出てきているぐらい」と胸を張った。心技体がそろうから、自信が揺るがない。

 還暦での初挑戦も発表した。来年2月3日、フルオーケストラをバックにコンサートを行う。「初めてのクラシックでどんな世界が見せられるか、僕も楽しみ」。冬は恒例のクリスマスディナーショーもあり、半年間の全国ツアーを終えても、そのまま走り続ける。

 1歳半の双子の息子たちのことを冗談交じりに「朝青龍と日馬富士に似ているね」と明かし、「本来なら孫の年齢だから余計にかわいい」。毎晩お風呂に入れ、おむつを替える子煩悩なパパにもなったが、「郷ひろみ」の理想像を追い続ける人生は、今後も変わらない。【瀬津真也】