NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」のおばぁ役で知られる女優の平良(たいら)とみさん(本名・平良トミ子=たいら・とみこ)が6日午前4時27分、敗血症による呼吸不全のため、沖縄県那覇市内の病院で死去した。87歳だった。葬儀・告別式は8日午後2時から那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣で行われる。喪主を務める夫の進(すすむ)氏(80)は「全国の皆さんにかわいがっていただき、いつもいつも感謝しておりました。これからも後輩のためにも、頑張りたいというのが口癖でした」とコメントした。

 平良さんは、1928年(昭3)11月5日、那覇市で生まれた。幼少期を石垣島で過ごし、13歳の時に翁長小次郎一座に入団。ときわ座などをへて、82年に夫と劇団綾船を結成した。

 沖縄芝居を中心に活動する一方で、沖縄を舞台にした99年映画「ナビィの恋」で注目された。01年のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で、国仲涼子(36)が演じたヒロインの祖母「おばぁ」役で、全国的な知名度と人気を得た。沖縄の言葉「ウチナーグチ」をゆっくりとしたテンポで話す様子や、小柄な容姿、ちゃめっ気のある笑顔が印象的だった。

 映画は、02年「ホテル・ハイビスカス」や06年「涙そうそう」などに出演。ドラマも、「ちゅらさん」のシリーズ続編や、11年のNHK・BSプレミアム時代劇「テンペスト」、12年のNHKドラマ「つるかめ助産院~南の島から~」などに出演した。

 沖縄県指定無形文化財「琉球歌劇」保持者。14年に旭日双光章を受章した。