14年のホリプロスカウトキャラバンでグランプリを獲得した栞菜智世(かんな・ちせ=22)が、3月16日に歌手デビューすることが14日、分かった。「Hear~信じあえた証~」で、3月19日公開の藤原竜也主演映画「僕だけがいない街」の主題歌にも決まった。グランプリ獲得から、表だった活動をほとんどしてこなかった大器が、14カ月を経てついにベールを脱ぐ。

 沈黙を守ってきた栞菜が、いよいよ本格始動する。既にレコーディングを終えており、「少しずつですが実感が湧いてきました」と、大勢のファンの前で歌う日を心待ちにしている。

 デビューまでの過程は、グランプリ受賞者としては異例ずくめだ。恒例だったTBS系「アッコにおまかせ!」のお披露目出演を行わず、すぐに本格派歌手になるためのトレーニングに入った。音域の広さには非凡なものがあり、ボイストレーナーのAkari氏は「同じ声質のまま2オクターブ出すことができる」と、天性の才能を評価。さらに、1年間のボイストレーニングで、歌声にしんの強さが加わった。歌の世界観を理解できるよう詞の朗読なども行うなど、音楽の英才教育を施され、満を持してのデビューとなる。

 芸名には、「道しるべ」を意味する栞(しおり)や、本名にも入っている「菜」の字を入れた。総画数は画数占いで「世界へ飛び出す」という壮大な意味も込められているという。昨年10月末から、都内などの公園で名前を伏せて路上ライブを開催しており、「多くの方々に影響を与えられるアーティストになり、いつか武道館コンサート、紅白歌合戦、レコード大賞の大舞台に立ちたい」と意気込んでいる。

 ◆栞菜智世(かんな・ちせ)本名非公表。1994年(平6)1月14日、福島県生まれ。14年、第39回ホリプロスカウトキャラバンで、グランプリを獲得。現在、大学4年生。血液型B。