お笑いトリオ、ザ・フライの今野和人(31)が8日、都内で開催された日本最大の公募広告賞である「第53回宣伝会議賞」でグランプリを受賞した。

 受賞作品は「『JTBの旅行券』を大切な人へ贈りたくなる広告表現」という課題で応募した「親子篇」と題したCM台本。同賞事務局によると、芸人でのグランプリ受賞は初。

 ザ・フライではメンバーの雨宮龍也と共にネタ作りを担当しているという。コピーの勉強は本を読んだくらいだといい、「コピーが好きで、芸人としてやっていく中で、普段のネタ以外のこともしたいなと思って挑戦した」と話した。同賞にCMやキャッチコピーなど計73点を応募し、「唯一のCMでの応募」という1点がグランプリを獲得した。「普段やっていたことが意味あったんだと。結果になってよかった」と喜んだ。

 芸人としての年収は3~4万円で、普段はネット関係のアルバイトをして生計を立てているという。今回のグランプリ獲得で得た賞金100万円の使い道を聞かれると「事務所にもメンバーにも渡しません」と笑わせ、「年金を滞納しているので、親に払ってもらっていたので、返さないといけない」と苦しい台所事情を明かした。

 最後に今野は「まさかここで賞金をいただくとは。芸人としてまだ賞をもらってない状態で他の賞をもらうのは気恥ずかしいですが、これを励みに、賞金の一部はお笑いの何かに使いたい。11年にキングオブコントで準決勝までいっているのでその結果を越えたい」と決意を述べた。

 贈賞式には特別プレゼンターとしてタレント佐藤美希も登場。佐藤も13年のホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞した際に賞金100万円を獲得した。自身はすぐに美容器具などに数十万円を使ったと明かし、「うれしくて、喜びのあまり使っちゃいますけど、あまり使うと後々後悔する」と今野にアドバイスを送っていた。

 同賞には46万7936点の応募があり、ファイナリスト31作品の中からこの日、グランプリが決定した。