公立中学・高校の社会科教師を目指すため朝日放送(ABC)を退社する同局の清水次郎アナウンサー(44)が21日、担当するABCラジオ「福本豊の虎たまデラックス!」(午後8時45分)でリスナーに退社を報告した。

 同番組の最後に清水アナは「本年度をもちましてアナウンサーを退職します。朝日放送も今年で退社することを決意しました。94年に入社以来、私の実況を聴いていただきありがとうございました」とあいさつした。

 96年6月、広島戦で阪神のプロ野球を初実況を「阪神は1安打完封負けでした。実況がしたくてアナウンサーになりました。大好きな阪神タイガースと歩んできた夢のような22年間でした」と振り返った。

 異例の転身について「教師になりたいという夢をいつのころからか抱き、それがだんだん大きくなって抑えきれなくなってしまいました」と理由を説明した。

 最後は涙声になりながら「一番、うれしかったのは『清水さんの実況はいいですね』と言っていただくことでした」とリスナーに感謝した。同番組で共演した野球評論家の福本豊氏(68)からは「ジローちゃん、長いことありがとう。ほんとにさびしい。でも自分の大きな夢に向かってジローちゃんならがんばると思う」と花束を贈った。

 清水アナは3月末にはテレビ、ラジオの仕事から離れ、7月の教員採用試験に向けて勉強に専念する。有給休暇を消化する6月中旬が正式退社となる。

 清水アナは早大卒業後、94年に同局入社。阪神タイガースの情報番組「虎バン」のメーンキャスターを11年務め、野球実況歴は21年。阪神戦や夏の高校野球などの実況では落ち着いた声と的確な描写で同局の野球アナのエースとして活躍してきた。