爆笑問題の太田光(51)が、7日に亡くなった永六輔さん(享年83)に小言を言われたエピソードを披露し、「財産です」と永さんをしのんだ。

 12日深夜放送のラジオ番組「爆笑問題カーボーイ」の冒頭で、永さんの思い出を語った太田。自身は若い頃、実父と折り合いが悪く、死の間際までほとんど会話をしなかったという。その後悔があるだけに、永さんのように親世代の先輩芸能人と関わることができたことに「おやじにできなかったようなことを、やってる意識があった」と、父とダブらせていたと語った。

 ある時、太田は永さんに呼び出され、小言を言われたことがあったという。それは太田の小説を影絵作家の藤城清治氏が影絵本化した「マボロシの鳥」に関することで、永さんはムッとして太田に「藤城清治さんはね、僕らの憧れの人ですよ。僕ら、本当に若い頃からの憧れの人ですよ。あの人に、こんなつまらない本を絵本にしていただいて、君は何なんだ」「ぜいたくだ」「けしからん」「文章がダメだ。絵は素晴らしい。なんだこの長い文章は」と文句を言ったという。

 永さんにとって絵本とは、母親が子どもを膝に乗せて読むために作らなければならないという持論があり、太田の長く理屈っぽい文章が気に食わなかったそうだ。ただ、太田自身も文章をカットしようと申し出たが藤城氏から「これは文章がいいから、このまま載せましょう」と言われたことを永さんに伝えたという。「その時の永さんの悔しそうな顔。『ざまぁ見ろ!』って」と当時のやりとりをうれしそうに振り返った。

 「でも、永さんの言う通りだと俺は本当は思っていました」と述懐した太田は、「だから、そういうふうに永さんに言ってもらえたのが、もちろん藤城先生に絵にしてもらったこともそうですけど、やっぱりね、すごく財産です」と永さんをしのんだ。