来年1月の東京・新橋演舞場「寿初春大歌舞伎」で3代目市川右団次を襲名する市川右近(53)がこのほど、襲名への意欲を語った。昼の部「雙生隅田川」では2代目右近を襲名する長男タケル君(6)、市川猿之助と3人宙乗りもみせる。右近は「早替わり、宙乗り、鯉つかみの本水の立ち回りと、ケレンのすべてが詰まった作品。演じることが楽しみ」と意欲的だが、タケル君は「高いところは平気だけど、宙乗りは怖い」。夜の部「錣引」では景清を演じ「花道を六方で引っ込んだり、派手な形で再構築しています」。

 屋号は「沢瀉屋」から「高嶋屋」に変わるが、息子右近は「沢瀉屋」のまま。「沢瀉屋の創造の精神や理念は受け継いで広めたい。今まで師匠という大きな傘に守られたけれど、これからは飛び出して大きく羽ばたきたい。門閥外の人の光明になれれば」と話した。