東映やくざ映画で活躍し、「十津川警部」シリーズなどテレビドラマで広く親しまれた俳優渡瀬恒彦(わたせ・つねひこ)さんが14日午後11時18分、多臓器不全のため東京都内の病院で死去した。72歳。16日、所属事務所が発表した。

 渡瀬さんは、先月10日頃まで行われたテレビ朝日系2夜連続ドラマスペシャル「そして誰もいなくなった」(3月25、26日午後9時)の収録が、最後の仕事となった。06年から始まった同局の主演連続ドラマ「警視庁捜査一課9係」(水曜午後9時)の12年目のシリーズが4月から放送予定だが、収録に参加することなく亡くなった。

 テレビ朝日広報部では「突然の訃報に、いまはただただ驚き、言葉もありません。弊社の作品には長年にわたり多数ご出演いただき、心からの感謝とご冥福を祈るばかりです」とコメントを発表した。「そして誰もいなくなった」は予定通り、「警視庁捜査一課9係」も渡瀬さん以外の出演者で収録し予定通り放送する。